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土取利行プロフィール |
1950年 香川県生まれ。幼少の頃より祭り太鼓を叩く。十代、大阪でモダンジャズを始める。
1972年 東京で近藤等則とフリージャズグループを結成。
1975年 音楽評論家・間章との邂逅で即興演奏集団EEUを結成。メンバーには近藤等則、高木元揮、徳広崇、豊住芳三郎が参加。ピーター・ブルック劇団俳優・ヨシ笈田演出「般若心経」の音楽を担当し、ニューヨーク、バンクーバー、パリ、アムステルダムで公演。ニューヨークで伝説のドラマー、ミルフォード・グレイブスと知己を得、多くの即興演奏家と共演。
1976年 ピーター・ブルック国際劇団に参加し、ベネチア・ビエンナーレ演劇祭で即興劇の音楽担当。パリを中心にソロコンサート、スティーブ・レイシー、デレク・ベイリーらと共演。
1977年 ミルフォード・グレイブス来日公演でEEU等と共演。p・ブルック演出「ユビュ王」の音楽担当。
1978年 デレク・ベイリー来日公演でEEU等と共演。「ユビュ王」フランス、スイス、ベルギー公演ツアー。ナイジェリアのイフェでマスター・ドラマー、アイアンソラーよりトーキングドラムを習う。
1979年 ブルック演出「鳥たちの会議」「骨」の音楽を担当、アビニオン・フェス初演。イタリア、イモラでの「ヨーロッパジャズ79」にデレク・ベイリーのカンパニーと共演。スイス、ローザンヌでソロコンサート。ブルック劇団「イク族」「鳥たちの会議」「骨」連続公演。ニューヨーク・ラ・ママ劇場、オーストラリアのアデレイド、シドニー等。ポーランドでグロトフスキの特別プロジェクトに参加。イスラーム神秘主義スーフィーの音楽を訪ねてトルコ各地を巡る。
1981年 p・ブルックの「マハーバーラタ」制作にあたり、音楽監督としてインド、ネパール、インドネシア、スリランカなど、アジア各地を一年間にわたって旅し、多くの芸術家と交流すると同時に、音楽や舞踊を習得。
1982年 パリで「マハーバーラタ」の音楽制作開始。インド・シャンティニケタンのタゴール学園でエスラジを習う。ロンドンのアルメイダシアターでソロコンサート。パリで桃山晴衣と出会う。
1983年 一時帰国し桃山晴衣とのジョイントコンサート「インターエスニック・インプロビゼーション」を池袋スタジオ200、名古屋、大阪、京都で展開。奈良の畝傍山で「銅鐸」を演奏、レコーディング。TBS「銅鐸を打つ」として放映され、ビクターよりLP「銅鐸」発表。ワシントンの「ニューアメリカミュージックフェスティバル」にミルフォード・グレイブスとのデュオで出演。
1984年 南インド、マドラスに滞在しムリダンガム、ガタム、をマスター・ビナヤッカラムより、タビルをパッキリ・スワミより学ぶ。p・ブルック、ジャンクロード・カリエールとともに再びインドを訪れ、テイヤム、チョウ、ヤクシャガーナなどの舞踊をはじめ、様々な芸能、音楽、儀礼に触れる。古代石「サヌカイト」の演奏会を故郷香川で開く。LP「サヌカイト」を発表。ラフォーレ・ミュージアムでソロコンサート「オーガニック・ダンスパーカッション」開催。
1985年 1985年 「マハーバーラタ」アビニオン演劇祭で初演。その後、ギリシャ、スペイン、イタリアなど各国で公演し、世界的な反響を呼ぶ。
1986年 「マハーバーラタ」パリ、ブフ・デュ・ノール劇場で半年間のロングラン公演。一時帰国し、桃山とのコンサート「夢二、弦唱」を開催。香川県青の山でサヌカイト演奏、CFとなりサヌカイトブームの発端となる。
1987年 日本、インド祭準備のため再びインド訪問。パリで「マハーバーラタ」英語バージョン、リハーサル。岐阜県郡上八幡に桃山晴衣と「立光学舎」設立。「マハーバーラタ」英語版、スイスのチューリッヒ、ロスアンゼルス、ニューヨーク、オーストラリアのパース、アデレイド、スコットランドのグラスゴーなどで公演。
1988年 「マハーバーラタ」日本公演、銀座セゾン劇場。日本・インド祭でセゾン美術館主催のタゴール展の企画・監修・出演。著書「螺旋の腕」(筑摩書房)上梓。郡上八幡で88フェスティバル開催、インド舞踊ダルパナアカデミーとタゴールソング名手シャルミラ・ロイを招き文化交流を行う。
1989年 中国武術家の松田隆智とのジョイントパーフォーマンス「鼓武震撼」を銀座セゾン劇場で開催。NHKBS放送で放映。NHKテレビETV8「始源の音を求めて」で西江雅之(文化人類学)と対談。郡上八幡で立光学舎フェスティバル「伝でん奥美濃ばなし」を企画・制作・上演。同時にシンポジウムを開催しゲストに谷川健一(民俗学者)が参加。「マハーバーラタ」の映画祭でブルック。カリエールとインド再訪、各地でシンポジウム、ワークショップ。
1990年 「銅鐸」の演奏以来、個人的に取り組んできた謎の縄文土器、有孔鍔付土器を太鼓として復元し縄文の音世界を探る画期的なプロジェクトを本格的にスタート。小林達雄(考古学)、堀慎吉(美術家)、鯉江良二(陶芸家)などを協力者とし、長野県尖石遺跡で完成した縄文鼓の演奏を行う。演奏に至るまでのドキュメントがNHK教育テレビ「縄文の音世界を求めて」として、演奏はNHK衛星放送で放映される。後にCD「縄文鼓」(ビクター)、LD「森林の音霊」(NHMVOOK)が発売される。P・ブルック「テンペスト」の音楽担当。グラスゴー、ブランシュウェッブ、パリのブフ・ドュ・ノール劇場で公演。第二回古川町音楽大賞奨励賞受賞(選考委員:武満徹、諸井誠ほか)。「伝でん奥美濃ばなし」青山円形劇場で上演。
1991年 ブルックの「テンペスト」銀座セゾン劇場公演。「音楽大陸アジア・アフリカ」(スタジオ200)。「森林の音霊」縄文鼓コンサートをラフォーレミュージアム赤坂、飛騨古川町気多若宮神社境内で開催。福島県立博物館の「縄文絵巻展」で縄文鼓演奏とレクチャー。立光学舎フェスティバルで「高賀山鬼伝説」(新神楽劇)を地元の農民歌舞伎の役者たちと発表。同時開催として民映研の姫田忠義所長の講演と映画「会津の木地師」上映。
1992年 NHK新春番組「日本人の心」にゲスト出演、共演は五木寛之、松岡正剛、田中優子)。岐阜県大垣市文化事業「代々の雅」の芸術監督を努め、桃山晴衣の「梁塵秘抄」で山口小夜子と共演。同事業で夏、国分寺跡野外ステージでインドネシアのスラカルタ国立芸術学院舞楽団を招聘し共演。秋には舞踏家、大野一雄の「小栗判官照手姫」を企画、共演。 NHK衛星放送中継番組「ミステリーゾーン飛騨」に出演。(司会/篠田正浩、共演:小林達雄、鎌田東二、内藤正敏)。
1993年 伝説のドラマー、ミルフォード・グレーブスを招聘しデュオコンサート「宇宙律動」を銀座セゾン劇場、大阪国際交流会館、郡上大和町などで開催。大野一雄「小栗判官照手姫」を再編成し、赤坂国際フォーラムで上演。
1995年 五木寛之脚本「蓮如」(前進座)の音楽担当。彩の国さいたま芸術劇場開館一周年記念特別企画「時空のかけ橋」を企画構成、出演。メキシコの古代から現代をテーマに「フリーダカーロへのオマージュ」(ダンス:山田せつ子、音楽:土取利行)「ネイティブ・ドリーム」(縄文鼓と古代メキシコ楽器の共演/トリブ+土取利行)ほか。岐阜県民文化祭で「浄瑠璃劇・帰雲城」上演。
1996年 シアターX でパーカッションワークショップ開催。ACCの奨励金を受け、北アメリカ先住民族イロクォイ族を訪ね音楽と舞踊のリサーチ研究をする。岐阜県大和町主催「雪月花コンサート」を企画し、沖縄の知名定男、ネーネーズらと共演。
1997年 長野県さらしなの里歴史資料館、野外コンサート「縄文の音霊」。呉鼓集団スパイラルアームズ結成。
1998年 第一回テクノエッグ・クリエイティブ・コンサートで縄文鼓演奏とレクチャー(ゲスト:名久井文明)。ジャカルタで開催されたインドネシアアートサミットにスパイラルアームズで出演、ラハユ・スパンガ、アルスワルディらと共演。同公演を神戸、岐阜、長岡でも開催。
1999年 岐阜県の織部賞(知事賞)を受賞。長岡市に開設された新潟歴史民族博物館で縄文鼓の野外コンサート。岐阜県民文化祭で韓国の打楽器集団プンムルノリと共演。長年にわたって研究を続けてきた縄文時代の音楽について著わした「縄文の音」を青土社から上梓、本邦初の縄文音楽論として各学界から注目される。
2000年 筑紫哲也ニュース23ミレニアム特集で、縄文鼓を吉野ヶ里遺跡で演奏。金沢市民芸術村アート工房でレクチャー「縄文の音を語る」。パリのシャトレ劇場で縄文鼓演奏。P・ブルック「ハムレットの悲劇」音楽担当、ブフ・ドュ・ノール劇場初演。
2001年 「ハムレットの悲劇」ストラスブール、ニューヨーク、シカゴ、シアトル、ウィーン、バーゼル、東京、ロンドン公演。南フランス、ピレネー山麓の旧石器時代のトロア・フレール洞窟で演奏。ヨーロッパ先史時代の音楽研究に着手。映画「ハムレットの悲劇」音楽担当。
2002年 香川県県民文化会館主催「縄文鼓の世界/アイヌソングとの響宴」で安東ウメ子とトンコリ奏者オキを招聘し共演。NHKハイビジョンスペシャル番組で写真家の港千尋とナビゲーターを努めフランスの先史時代壁画洞窟を訪ね、古代楽器を演奏。考古学者ジャン・クロット、ミッシェル・ロルブランシェ、音響学者ミッシェル・ドウボアらと交流。
2003年 NHK総合、ハイビジョン放送でフランスで撮影した壁画洞窟の番組が「闇に残されたメッセージ/世界最古・洞窟壁画の謎」として放映される。岡山県美星町「中世夢が丘」で韓国打楽器集団プンムルノリと共演。五木寛之「大論楽会」に出演。
2004年 ピーター・ブルック演出「ティエルノ・ボカール」の音楽で、ドイツ、スペイン、ブラジル、フランスなどを巡演。
2005年 ピーター・ブルック演出「ティエルノ・ボカール」世界ツアー、ポーランド、ニューヨーク、イギリスほか